オンラインの不動産データ ベースを運営する Zillow Group 社は、10 社以上の企業を買収することで 130 を超える大都市圏における存在を確立し、ここ数年で収益を 10 億ドル超にまで拡大させてきました。この劇的な成長に伴い、営業部門の社員の報酬管理は非常に煩雑なものになってしまいました。「月を追うごとに状況は必要以上に複雑になっていきました」と金融営業部門ディレクターのカレン・ハン (Karen Han) 氏は振り返ります。 Anaplan プラットフォームは、Zillow Group 社がこうした複雑な状況に対処し、報酬管理に関して先見的な意思決定を行う上で役立ちました。また、システムが提供する情報によって、管理業務が効率化され、より良い成果を出せるようになりました。
現在では営業担当者もデータを簡単に確認できるようになったため、貴重な時間を、本当に必要な業務である販売活動に多く費やせるようになりました。
カレン・ハン (Karen Han) 氏, 金融営業部門ディレクター
Zillow Group 社の従来の報酬システムは、旧型で手作業のプロセスも多く、非常に使いづらいものでした。営業部門のマネージャーや現場スタッフをはじめ複数の部署でも使いづらさを感じていました。実績を追跡したり、共有したりすることは難しく、過去のデータや分析結果を集めてまとめ上げることも困難でした。さらに、従業員の情報に変更があると、複数の場所に手作業でデータを入力していました。こうした非効率的なプロセスでは、新しい商品やカテゴリーの増加に対応できませんでした。
「プロセスを自動化する時が来ていると思いました。スムーズな業務運営が必要だったのです」と金融営業部門でディレクターを務めるカレン・ハン氏は言います。
Zillow Group 社は、インセンティブ報酬管理に Anaplan を導入しました。ハン氏が率いるチーム、そして、同部門のシニア アナリストであるブランドン・カウチ (Brandon Couch) 氏がこの導入を担当しました。そこでは報酬管理用のモデルを複数作り、社内の HRIS システムとの統合プロセスを計画し、営業部門用に売上進捗レポートや目標設定モジュールを自動化しました。また、ハン氏とカウチ氏はさまざまな職務向けに、詳細なトレーニング教材と資料も作成しました。
重要なクラウド間の統合には Boomi を使い、Zillow Group 社の Salesforce インスタンスと Anaplan データ ハブをつないでいきました。以前は、Salesforce 上で入力、管理されるトランザクション データが Zillow の計画に反映されるのは週に 1 度でしたが、現在では、グループによっては 20 分ごとに反映されるようになりました。おかげで、営業部門の社員やマネージャーも、売上やパフォーマンスをリアル タイムで確認できます。また、セルフ サービスで使えるダッシュボードにより、どの部門の関係者も情報を簡単に得られるようになりました。営業担当者は、売上進捗レポートや目標設定機能を使うことで、常に先を見越した計画を立てることができます。その結果、社員の満足度と生産性は高まり、営業マネージャーは詳細な情報を得られるようになり、ハン氏とカウチ氏は管理業務ではなく付加価値の高い仕事に時間を充当できるようになりました。
「関係者全員が同じデータを見られるようになりました」とハン氏は説明します。「正確な数字を探し出すために貴重な時間を費やす社員は今では一人もいません」
新しいソリューションの導入を検討する上でハン氏とカウチ氏が重視していたのは、コラボレーション、透明性、自動化、そして柔軟性という 4 点のポイントでした。コラボレーションが可能なシステムとは、営業部門のリーダー、財務、HR、分析、セールス オペレーションといった関係者全員が、迅速かつ効率的に意思決定を行える意味のあるデータに単一のプラットフォームからアクセスできるシステムです。透明性とは、適切なアクセス権管理の下で、現在および過去のデータを利用できることです。自動化については、あらゆる計画タイプを正確に計算に反映し、それらを適切な役割に割り当て、適切なすべての場所にデータを転送できることが基準でした。柔軟性については、会社の成長スピードに遅れをとることなく規模を拡張できるスケーラビリティが重視されました。そして Anaplan だけが、すべてを満たしていたのです。
カレン・ハン氏、金融営業部門シニア マネージャー：Zillow Group 社は、業界最大規模の不動産プラットフォームを、モバイル端末とウェブの両方で提供する企業です。
金融財務チームは社内の全グループを対象にさまざまな報酬管理業務を担っています。各種指標データに関する報告や、インセンティブ報酬のサポートも担当しています。
ブランドン・カウチ氏、金融営業部門シニア アナリスト：当社のセールス オペレーションは非常に流動的で、社員の役割は頻繁に変更されます。
そして担当地域や所属チーム、役職名によって、報酬の形態も変わります。
Anaplan の導入以前は、月次決算のおよそ 3 日後に営業データが反映され、そこからすべての計算を始めていました。営業チームへの情報共有は、そのさらに数週間後です。
現在は Anaplan のおかげで、20 分ごとに営業データがシステムに反映され、営業担当者は月末に向けて売上状況の進捗をいつでも確認することができます。
カレン・ハン氏：売上進捗レポートを活用することで、マネージャーは先手を打った指示を出すことができます。業績の高い社員を確認できるだけでなく、決算までに指導が必要なエリアも特定できるようになりました。
会社が成長を続けるなか、私たちには、業務プロセスの整理やデータ インテグリティの確保が求められていました。さまざまな計画や役割をすべて自動的に計算し、適切な社員に報告できるソリューションが必要でした。また、モデルを変更してもその内容が適切な場所に正しく反映されることも、重要でした。
当社の複数のプラットフォームを 1一つの場所に統合でき、必要な柔軟性を備えているプラットフォームは、Anaplan だけでした。
ブランドン・カウチ氏：人事部門が社員名、役職、担当マネージャー、担当地域を入力すると、それらの情報はシステム全体に送信され、その社員の支払い情報が更新されます。
思い通りにすぐにツールは本当に便利です。以前は、「一体どうすればこのエクセルシートは使いやすくなるのだろう？」と考えていた私が、 今では「このデータをすべて取り込める、もっとスマートな Anaplan モデルを作るにはどうすればいいか」と考えています。
カレン・ハン氏：現在では営業担当者もデータをいつでも簡単に確認できるようになったため、貴重な時間を本当に必要な業務である販売活動に多く費やせるようになりました。
